上白石萌音 「第16回TAMA映画賞」授賞式に登壇!
映画ファンの祭典「第34回映画祭 TAMA CINEMA FORUM」にて国内映画賞のトップバッターとして注目を集める「第16回TAMA映画賞」の授賞式がパルテノン多摩で開催され、最優秀女優賞を受賞した上白石萌音が登壇しました!
上白石は、瀬尾まいこさんの同名小説を三宅唱監督が映画化した『夜明けのすべて』の演技が評価されて受賞を果たしました。同映画祭からは「ままならない不調に向き合う一生懸命な藤沢さんを愛情いっぱいに表現し、星空を見上げたときのような穏やかな幸福感をもたらした」と評価をいただきました。「素敵な賞をいただき、本当にありがとうございます。一緒に映画を作った監督をはじめ、すばらしいチームの皆さん、物語をこの世に生み落としてくださった瀬尾まいこさんに感謝申し上げます」と受賞の挨拶をした上白石は、「映画とその作り手への愛と敬意に満ちた、温かな映画祭。それを感じて、喜びが何倍にも膨れ上がっているところです」と感謝を伝えました。
パニック障害を抱え無気力に毎日を過ごしている山添くん(松村北斗さん)と、月に一度、PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなる藤沢さん(上白石)が交流し、少しずつお互いの殻を溶かし合っていく姿を描く本作。
映画を観た方から「この作品が好きです」と声をかけられた際には、「私もです」と答えるほど本作が好きだという上白石。魅力を問われると、「PMSである藤沢さんと、パニック障害を抱えた山添くんのお話。それでいてPMSとパニック障害が主題ではないというところが、とても好きです。それをきっかけとして生まれる人と人との繋がりや優しさ、面白さがむしろ主軸になっている中で、すごく自然に漂っている温かさのある作品」と語りながら、「『好きです』と言われて、ちゃんとした大人ならば『ありがとうございます』と先に言うべきなのでしょうが、『わかります』と言ってしまうくらい大好きです」と本作への愛をあふれさせていました。
役作りや撮影を振り返った上白石は、「藤沢さんほどではないんですが、私も生理が重くて生理前にはかなり心身が不安定になるんです」と告白。「この辛さも何かに役立つんだなと思いました。自分の心身を観察して、藤沢さんへの共感と理解を深めたいなと思いました」とキャラクターと自らの心身に向き合った日々を回想し、「難しいシーンだらけでしたが、一緒になって同じ熱量で答えを探していけるチームの皆さんがいて、たくさん会話を重ねて、話し合いながら撮影を進めていけました」とチームへの信頼感を吐露していました。
舞台「千と千尋の神隠し」ではロンドン公演も行い、歌手としての活動にも邁進した1年。上白石は「たくさんの挑戦をさせていただいて、そのたび壁にぶつかって、自己嫌悪と周りへの嫉妬にさいなまれ続けた年」と苦笑いで今年を総括。同時に「そのたびに周りの方々が背中で示してくださったり、相談に乗ってくださったり、やさしさをポンと渡してくださったり。たくさん支えてもらった1年です」と周囲の方々の支えを実感した1年でもあると話し、「負の感情は一生、付き物。そのたびに周りを見渡して感謝しながら、これからも頑張っていきたいです」と宣言していました。
また今後への抱負を明かすことになると、上白石は「いつも楽しそうな、幸せそうな人でありたい」とにっこり。「幼い頃から両親に『人の役に立ちなさい』と言われ続けてきたので、人の役に立てるような、藤沢さんのようなあったかいお節介をいっぱいしていけたらいいなと思います」と笑顔で未来を見つめていました。
『夜明けのすべて』は作品賞も獲得し、ステージに三宅監督が登壇。上白石とトークを繰り広げる場面もありました。もともと原作の大ファンだった上白石は「藤沢さんを演じられる喜びがありました」と打ち明け、「ちょうど朝ドラで松村さんと夫婦役をやっていたので、ぴったりだと思って。山添くんは松村さんしかいないと思った。頭の中でバチバチっと閃光のようなものが光った」とコメント。「現場では松村さんのお芝居とは思えないような息遣いや言い回し、笑い声に日々、嫉妬を積み重ねた現場でした」と松村さんの才能に惚れ惚れとしながら、「三宅組は温かく、はたらきやすい場所。チームのみんなに会いたい」と三宅監督と顔を見合わせ、チームへ愛着を寄せていました。
(2024/11/30)