瀬奈じゅん 内閣府政府広報シンポジウム スペシャルトークショーにリモート出演!
1月23日に行われた、内閣府政府広報シンポジウム スペシャルトークショーに、瀬奈じゃんと千田真司さんが夫婦揃ってリモート出演しました!
「特別養子縁組」をテーマに、日本女子大学教授の林浩康さんがファシリテーターとしてディスカッションが行われました。
以下、イベントレポートをお届けします。
――特別養子縁組で子どもを迎えようと思ったきっかけ
不妊治療をしていたときは、精神的・体力的にボロボロでした。そんな時に、私は子どもを産みたいのか、それとも育てたいのかを本質的に考え、私は育てて家族になりたいと強く感じました。この制度の正しい知識がありませんでしたが、チャイルドマインダーの資格を持つ夫から提案をもらったことがきっかけで自分でも調べるようになり、ものすごい数の子どもが施設で暮らしているという事実を知って、少しでも私たちにお手伝いできることがあるのなら…と思ったことがきっかけでした。
――不妊治療をしている中で、この段階でこうした制度の情報提供を受けていたら辛い思いをしなかった…という考えはありますか。
辛い思いをしなかったとは思いませんが、不妊治療をスタートする段階で、不妊治療の方法とともに、里親制度や特別養子縁組制度の選択肢の提示を医師から受けていたら、傷つかずに制度を知ることができたのかなと思います。私は最初に夫から提案を受けた瞬間は、「不妊治療を頑張っているときに、どうしてそんなことを言うんだろう」と思ってしまって…不妊治療を始める前の段階で、この制度を知っていたら良かったと私は思います。
――養子を迎え入れようと決心してからの心境について
約2年近く不妊治療をしていたので、まずは本来の自分に整えてからでないと正しい判断ができないと思い、半年くらいはジムに通うなど自分磨きをしました。
斡旋団体に申し込んでから実際に迎え入れるまでは、妊婦さんと同じ十月十日くらいの期間でした。その間、夫婦ふたりで同じ熱量で同じ想いで過ごすことができました。息子を迎え入れてから、はれて正式に受理されて戸籍上も親子になったときは、とても嬉しくて今でも忘れられない一日です。
――育てていく上でとくに嬉しかったことや大変だったこと
一般のご家庭でも同じですが、日々成長しているその瞬間に立ち会えるというのはとても喜ばしいことです。あえて一番最初に嬉しかったことを挙げるとしたら、生後5日で我が家に初めて帰ってきた日の夜、私も息子の傍で寝ようと目を閉じるんですけど、それが夢なんじゃないかって何度も確認してしまって眠れないくらい嬉しかったことを覚えています。
大変なこともどのご家庭でも同じですが、特別養子縁組だからこそ困ったこととしては、病院などで家族の病歴や体質を聞かれたときです。実母さんの情報をもう少し知れたら良かったなと思います。
――特別養子縁組の意義をどう考えますか。
単純に人との別れが少なくなることだと思います。子どもが施設で育つとしたら、実母との別れ、乳児院との別れ、児童養護施設を出て社会で自立するときの別れ、少なくとも3回はお別れを経験しなくてはいけないんです。心から信頼し安心していた人や場所から別れるという回数が単純に減ることは意義があることだと思っています。
――自身にとって家族とは
家族って何だろうと意識しないでいられるのが家族だと思います。特別意識しなくても一緒にいられることが幸せだと感じているので、私たちも本物の家族になれたなと思っています。
――特別養子縁組の制度を知らない方へメッセージ
「日本も外国みたいに特別養子縁組が普通になればいいのに」という言葉を聞きますが、外国と日本では法律も親権の強さも文化も違うので、同じようにはいかないと感じています。だからこそ日本独自の制度を確立していく必要があると思います。そのためには、正しい知識を知っていただくことが大切なんだと思います。
私も調べるまでは知識がなかったので、養子を迎えることはとても勇気のいることだと感じていましたが、正しい知識があれば勇気も湧いてくるし、愛に辿りつけると信じています。
これからも、皆さんに正しい知識を知っていただくために、このような場で伝えていきたいと思っています。
(2021/1/23)